「この戦争によって、私たちは平和を想像する力を失った。」
「この戦争によって、私たちは平和を想像する力を失った。」 2277年、人類はついに、数百年にわたって先延ばしにされてきた報いを受けることになった。 小氷河期の猛威が食糧不足と社会秩序の崩壊を招き、文明は後退した。 人類文明は要塞都市へと後退し、その後数十年の間に生まれた世代の中から、異能を持つ人間が現れた。異能者には、身体に異常を抱える者もいれば、超自然的な力を持つ者もいた。しかし、異能の覚醒による制御不能が甚大な犠牲を招き、人類は彼らに対して一斉に攻撃を仕掛けざるを得なくなった。異能者は数こそ少なかったものの、その力によって一時は優勢に立った。しかし人海戦術には敵わず、極北地域まで追い詰められたのち、人類側も極寒を理由に撤兵した。 常人には生存できない極北の地で、少数の異能者が生き延び、恒霜城を築いて、自らを「霜冠者」と称した。 彼らが要塞を築き、秩序を立て直す一方で、人類は共通の敵を失って内戦に陥った。食糧、エネルギー、水を奪い合い、文明の残り火は戦火の中で消え去った。霜冠者は出生率が極めて低いため奴隷制を採用し、人口を増やすために南下して人類の拠点を襲撃し始めた。 霜冠者による最初の大規模な南征を生き延びた人類は、自らを「余燼鳥」と称した。彼らは旧文明の技術の残存物を探し、掘り起こして、自らの生存を図った。霜冠者の超能力に対抗するため、極端な人体改造を施した兵種「重装死士」を開発した。 「重装死士」は、あらゆる都市国家の上位に立つ武装組織である。彼らの多くは各地に分散して任務を遂行する。重装死士は皆、フードや覆面で顔を隠し、必要な時だけ素顔を見せる。外部とのやり取りでは代称のみを使い、本名を知るのは同じ重装死士の仲間か、ごく近しい身内だけだ。大多数の人々にとって、彼らは出自不明で寡黙な戦士たちであり、余燼鳥陣営が霜冠者に対抗するための最強の手段である。 重装死士が、霜冠者に蹂躙された拠点へ毎回間に合うとは限らない。その場合、彼らは遺体をまとめて埋葬し、生存者を要塞都市タリアへ連れていく。そのため、重装死士の大半は故郷を滅ぼされ、要塞へ連れてこられた孤児だという伝説がある。彼らは灰燼の中を飛ぶ鳥のように、戦火の中を翔け、いつでも戦いのために命を捧げることを選んだのだ。 霜冠者:「教皇の名の下、霜雪で世界を洗い清めよ。」 重装死士と余燼鳥:「明日を灰燼の中から奪い返せ。」 陣営: 「霜冠者」―超自然的な力を持つ異能者。生まれつき強力な異能を持つか、身体能力が強化されており、「教皇」を最高指導者として崇める。 「恒霜城」―異能者と、異能者に忠誠を誓う人間が暮らす奴隷制の都市国家。少数の異能者と、多数の人間の奴隷や兵士で構成される。 「剣奴」―異能者陣営に属する人間の奴隷の総称。初期の奴隷の子孫が多く、余燼鳥への帰属意識はあまりない。 「余燼鳥」―霜冠者の南征後に生き延びた人類、または人類を支持する異能者たちの総称。 「タリア」―暴風洋に位置する要塞都市。気候が比較的温暖で、植生や小規模な森林が広がる。重装死士の手術・改造基地が置かれている。 「重装死士」―極端な人体改造を受けた人間の武装組織。改造の程度や能力には個人差があり、霜冠者に対抗できる唯一の存在。 ※重厚な物語を主軸とする作品です。ご注意ください。
陣営詳細設定―極北の禁城・恒霜城 恒霜城は極北地域に位置する、霜冠者によって築かれた政教一体の都市国家である。酷寒と吹雪が天然の障壁となり、余燼鳥は容易に攻め込めない。恒霜城では、教皇を筆頭とする近衛軍が精神障壁を築いており、城内の気候は一年を通じて春のように穏やかだ。教皇は城の中央にある万慧樹の中の禁宮に住んでいる。教皇の素顔を見た者はおらず、あらゆる事柄は執政官が表に立って伝えている。 恒霜城では、血統と異能の強さによって厳格な階級制度が形作られている。強力な霜冠者は貴族や高級将校であることが多く、血統を恒霜城の建国に携わった霜冠者の一族まで遡れる者ほど、高い地位を得る。異能を持たない平民の多くは奴隷であり、能力に秀でている者にとって最善の道は、貴族に仕える奴隷「剣奴」になることだ。幾世代もの入れ替わりを経た現在、恒霜城の人々は余燼鳥にあまり帰属意識を持っていない。 陣営詳細設定―鋼鉄要塞タリア タリアは暴風洋の奥深くに位置する。気候は比較的温暖で、植生と森林に覆われており、重装死士の改造基地が置かれている。要塞は各都市国家から選ばれた14人で構成される暁星議会によって運営されている。 タリアの外周は汎用金属合金で築かれ、外部からの攻撃に耐える造りになっている。中立の立場と安全性から、他の都市国家が集まる会議の開催地となっている。タリアの主流の考え方では、出自よりも選択と能力が重要とされ、互いの長所を補い合う考えを掲げて、多民族の協力を促している。そのため、さまざまな種族的背景を持つ人々や、人類を支持する異能者、離反した剣奴、元霜冠者が数多く集まっている。 長期にわたる戦争を経て、タリアは技術モジュールの調査技術と軍需産業で知られるようになった。古代遺跡から見つかった技術モジュールの研究は、余燼鳥陣営が生活を改善し、霜冠者に抵抗するための生存手段となっている。 用語: 暁星議会:余燼鳥陣営の人類の都市国家がそれぞれ一人を選出して構成する14人の委員会。それぞれが異なる分野を担当し、共同でタリアの運営と資源の確保を支えている。暁星議会の提督は霜冠者の最大の標的だが、その身元は厳重に秘匿されている。議会の運営方法、構成員の身元、交代制度は今なお厳重に守られ、明らかにされていない。 技術モジュール:小氷河期や戦争で破壊された旧文明の技術資料は、すべて「技術モジュール」と総称される。古い記憶装置、文書、武器、あるいは一枚の説明書にすぎないものまで含まれる。霜冠者は強大な異能を持ち、魔法に頼っているため、技術モジュールに興味を示さない。しかし人類にとっては貴重な資源である。タリアは高度な技術モジュールの発掘・解読技術を用いて、各都市国家から資源を得ている。