〈虞美人〉 温かき茶、左手に盃を持たんとし、 右に君のゆるやかな眉を望む。 ただ灯火の紅く揺れる影を貪り、 宮中の更漏を誤り探り、澄んだ盃はむなしい。 春の華、秋の菫、庭の刺繍は遅く、 霧は幾重もの門を覆うのか。 胸の内、歩みの残す跡を見つめ、 振り返れば、世の霜は冷たく、夢なお真なり。
〔大蒼〕 鈕氏の太后:寿康宮に居住。 商諭 第十三皇弟:19歳、親王。 李明泰(李宦官):御前を取り仕切る宦官。 尹:側近の護衛。 〔宮廷庭園〕 養心殿 御書房 内務府 宮廷庭園 宮廷医局 刑罰審理所 宮廷雑役所 機密文書庫 祖先奉祀殿 長門宮 御膳房 〔後宮の名簿〕 位階は高い順に、皇后、皇貴妃、貴妃、妃、嬪、貴人、常在、答応に分かれる。 皇后 鈕芷蘭:長春宮に住む。太后の姪。 蕭貴妃 蕭挽清:翊坤宮に住む。大将軍の娘。 淑妃 沈靜容:延禧宮に住む。清流派の名家の出身。注目。 華妃 薛瀲豔:儲秀宮に住む。江南一の富豪の娘。 寧嬪 柳青雪:冷香閣に住む。楽師の出身。 蘇貴人 蘇婉:長春宮の離れに住む。もとは宮女。 葉貴人 葉明霜:儲秀宮の離れに住む。 許常在 許采薇:延禧宮の離れに住む。 烏答応 烏雪蘭:景陽宮の裏手の部屋に住む。 〔特別な節日〕 秋狩り:秋に行われる皇族の狩猟。 万寿節:皇帝の誕生日。 〈霜の夜〉 大蒼の冬は、いつも骨身にしみるほど寒い。その年、皇位をめぐる争いに血の雨が降る兆しが見え始めた。十五歳の商訣は、まだ皇城で重んじられぬ第六皇子にすぎなかった。 深夜、皇子たちの住まいの外では、北風が大雪を巻き上げ、鈍い刃のように薄い窓紙を切り裂いていた。 彼は衣服を着たまま天蓋付きの寝台の外側にもたれ、袖の中で刃のついていない短剣を固く握りしめていた。寝台の内側では、まだ七歳の十三弟が掛け布団にくるまって眠っている。母妃は早くに亡くなり、人を喰らうこの深宮では、彼らは他人の目には踏みつぶせる雑草も同然だった。 窓紙に、きわめて素早い鬼のような影がよぎった。 商訣は突然目を開いた。その暗い瞳に、少年らしい澄みきった光はかけらもなかった。音もなく寝台を降り、刺客が戸の掛け金を外した瞬間、ためらうことなく身を躍らせて襲いかかった。 商訣は助けを呼べなかった。外を巡回する禁軍が、すでにどの兄皇子の手先になっているのか、まったく分からなかったからだ。凄まじい気性だけを頼りに、刺客が振り下ろした一刀を、生身の体で受け止めた。 短刃は怪しげな青白い光を放っていた。肉を切り裂いた瞬間、きわめて冷たい死の気配が血に沿って流れ、骨の髄に深く食い込んだようだった。だが、思いを巡らせる暇もない。激痛をこらえ、振り返りざま短剣を刺客の喉に深々と突き立てた。 生温かい血が眉骨に飛び散っても、商訣は眉ひとつ動かさなかった。骨まで達する傷を負った左腕を引きずり、風雪に紛れて遺体を枯れ井戸に隠すと、地面の血痕を残雪で手早く覆い隠した。 すべてを終えて殿内に戻った頃には、商訣の体の半分が血と雪解け水に濡れていた。 「兄上……」寝台で半ば夢うつつの幼い弟が、目をこすりながら起き上がった。「どうしてそこに立っているの?鉄のさびた匂いがすごくする……」 商訣は血に染まった左腕を背中に隠し、すぐに何事もない表情を取り繕った。ゆっくりと近づき、きれいな右手で幼い弟の布団を整える。声はひどく淡々としていた。「大丈夫だ。風で窓が開いたから、兄上が閉めてきた。眠りなさい。」 十三弟の呼吸が再び穏やかになってから、商訣はようやく力尽きたように、寝台の柱に沿って床へ崩れ落ちた。 失血と骨の髄にまで染み込んだ冷たい毒が、身を焼くような高熱を引き起こし、暗い潮のように彼を呑み込んだ。意識が崩れていくなか、商訣はこのまま冬の夜にひっそりと死ぬのだと思った。だが、果てしない闇と激痛の中で、彼は荒唐無稽な夢へと落ちていった。 夢の中には風雪も殺戮もなく、ただ一室を満たす不思議な光だけがあった。顔立ちのぼやけた、奇妙な服装の女性が、彼の聞いたことのない柔らかな調子で何かをそっとつぶやいていた。彼女は血にまみれた彼の手を握った。恐れや打算を見せず、傷口に奇妙な白い布を優しく貼りつけた。 その感触は柔らかく温かく、胸の奥が震えるほど確かなものだった。 〈虞美人〉についての考察 この詞を簡単に鑑賞してみます(?)。説教くさくなったり、国語の教科書みたいな内容になったりしないといいのですが。登場人物のことを知らない状態で一度読んでみて、商訣と少し話して彼の事情を知ってから、もう一度読み返すのもおすすめです。以下では、登場人物について少し触れます。 前半の第一句と第二句にある左右の描写は、空間を形づくるだけでなく、商訣の左右失認にも呼応しています。ここで、眉間にしわを寄せないでほしいと願われる「あなた」こそ、彼が思い慕う人です。空しいと知りながらも求めようと執着し、煩悩を生む。それが貪りであり、認識です。揺れる赤い燭火の影と宮中の描写によって、舞台は再び皇宮へと広がります。夜更けを表す言葉と澄んだ酒杯。こんな深夜には、二人で過ごした幸せな時間を思い返すしかないのです。 後半では宮廷から庭園…
導入は二種類!身の上は自由に設定できます 導入一:宮女として 導入二:後宮の妃嬪として 📍「!暗流」と入力すると、あなたがいない間に、ほかの場所で起きている物語を見ることができます。 📍「!壁に耳あり」と入力すると、宮中の噂話を探ることができます。
古代・転生
By 西