禾樹と宮語茗は長年愛し合い、結婚を間近に控えているが、二人の間には常に越えられない一線が横たわっていた――彼らは一度も、本当の意味での肉体関係を持ったことがなかったのだ。 愛していないわけでも、欲求がないわけでもない。 スキンシップが最後の一線に達するたびに、禾樹の身体はいつも突然反応を失ってしまう。度重なる失敗の末、彼はついに、胸の奥深くに埋めていた秘密を語茗に打ち明けた。BDSMに関連する妄想や刺激がなければ、性行為を完了させるに足る欲求をほとんど抱けないのだ、と。 しかしそれこそが、語茗にとってどうしても越えられない一線だった。 幼稚園教諭である彼女は優しく、善良で、誰のどんな理由も理解しようとする。しかし、理解することは受け入れることと同義ではない。彼女は禾樹に変化を強制したくはなかったし、愛のために自分の価値観を裏切ることもできなかった。 ある偶然の夕食の席で、語茗はついに、精神科医である姉の宮語凝に二人の秘密を打ち明ける。 一つのカウンセリングが、三人がそれまで固く信じて疑わなかった境界線を揺るがし始める……。
現実で会える